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き上げるのが困難なものが対象となっている。
第二に、パイプライン技術の中で難しいことは、パイプラインのエンドを持ち上げることであり、技術の限界は、総持ち上げ能力、回収時の荷重に耐えるパイプの強度である。
第3フェーズの研究は、技術調査と修理作業の環境及びパイプライン重量の軽減である。同時に長いパイプライン内に蓄積されるハイドロカーボンの量も無視することが出来ない。
掘削部門では、大水深用掘削リグと掘削方法について研究している。海底作業には、どうしても大水深用掘削リグが必要となるが、調達しにくく非常に高価であり、もっと簡単に改修作業等ができる低コストのサービスはないか調査している。第3フェーズではGOM号井において、コイルドチュービングよるアプローチを検討中である。
また、ディープスターでは、フローターと海底のサブシーツリーを結ぶために、メタルチューブの適性を検討している。
ディープスターでは大水深における、Steel Catenary Risers(SCR)の技術的進歩を重要視している。大水深におけるSCRの使用は、セミサブで第2Aフェーズで確認されている。これによりライザーシステムの解析プログラムソフトが開発され、商業化された。
その他、新しいライザーのコンセプトとして、ライザーには浮力体をつけ、構造物の近くに浮かしておく。使う時に、垂直にして接続するものである。このメリットを実証するため試験中である。
大水深のGOM号井では、Shallow Water Flows(SWF)の制御が難しかった。ここでは、掘り始めの数千フイート前後で出水層に遭遇する。ハイドロカーボンが含まれ問題になる。
コンダクタージェッテインクしている時に、フローされ、周囲を洗い流され、結果的に坑井を失うような事態が発生したり、クレーターが生じるケースもある。これらも重大な問題で様々な形で研究されている。出水層に外するセメンティング対策、ゲルの圧入、浅層で使う調泥剤と大水深坑井で使う調泥剤の比較、出水層のためのコンダクターパイプの設置方法の検討など4つに分れている。
ディープスターは大水深下の資源開発を目的として、我が国工業界の技術の結晶である。効率的に研究が進められるよう、合衆国政府にもバックアップされ、企業にとっては、長期的に抱える問題の解決に重要な支えとなっている。

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Fig.1 Deepstar Phase III participants

 

 

 

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